自動車整備工10年のベテランが車を高く売るための情報をまとめています。

【自分でチャレンジ!個人間での直接売買・・・メリットと注意点】

前回まで様々な業者の特色や利用法を紹介しましたが、今回は自動車を知り合い同士で売買する利点や気をつけたい事を、大学生Aが足に使っていた古い軽自動車を卒業に伴う引越しを機会に手放したい。その車を同じ寮住みの後輩Bが欲しいと思い「売ってください!」というケースを例に挙げて説明していきたいと思います。

【業者買い取り相場より高い?】

AはBからの購入意思を聞く前に、ダメ元でいくつかの買い取り店に査定に出していました。しかしどこもたいした価格の提示がなく、中には廃車手数料を請求される場合もあり、途方にくれていました。そこに渡りに船のBの提案、しかもこの軽自動車にはまだ1年車検期間が残っていたので、Bは「10万円」を提示してきました。これにはAも二つ返事でOKをしました。

【でもどうやって手続きしたらいいのかまったくわからない二人は?】

全く車のことに疎い二人はネットなどで調べて「名義変更」が必要なことを知ります。そこで売り手のAが名義変更をするため、地元の「軽自動車検査協会」に、必要となる①新旧所有者の印鑑(認印でOK)②新所有者の住民票③車検証をもって出向きました。今回は同じ寮の後輩への名変なので、ナンバープレートの返納は必要ありません。ほかの「自動車検査証記入申請書」や「軽自動車税申告書」といった必要書類は協会で手に入るので、窓口の方に教わりながら何とか名変ができました。大体40~50分の時間はかかりましたが、費用は300円ほどで済みました。

【お互い良い取引だと感じていました】

一方買い手のBはバイト代の中から細々と貯めていた15万円で何とか軽自動車が手に入らないものかと中古車店巡りをしていたものの、限られた予算の問題もあって、なかなか条件にあって車が見つかりませんでした。そこになかなか車の売り手が見つからないAの話を聞いてすぐに手を上げました。名義変更もスムーズに終わったというので早速貯金を下ろしてAに支払い、先輩後輩の仲だし特に「売買契約書」のような面倒なことは省いて、お互い得をしたとがっちり握手を交わして売買契約完了としました。

【動かなくなってしまった車!どうする!?】

故郷に帰ったAの後を引き継いで手に入れた愛車でのカーライフをエンジョイしていたB。ある日いつものように車に乗り込み鍵を回すものの車はピクリとも動かない。ガソリンは満タンだからこれはバッテリーだろうと判断して任意保険についていたロ-ドサービスに電話して一安心かと思いきや「これは車屋でないと無理」とのこと。急いで知り合いの車屋に見てもらうと「修理に10万近くかかるからもう廃車にしたほうがいいよ」という衝撃の言葉、まだ数週間しか乗っていないのにと腹を立てたBはAの実家に苦情の電話しました。

【居直ってしまったAに対して、Bはなす術なし】

たまたま実家にいたAは開口一番「ああ、こわれちゃったの?まあ調子あんまり良くなかったもんね。車検まではもつかなと思ってたけどついてなかったね。」と完全に他人事のよう。Aははらわたが煮えくり返る思いでしたが、購入の前にろくな下調べもせず飛びついて、契約書も交わしていないため結局は泣き寝入り、車は廃車処分になってしまいました。

【買い手がやらなくてはならなかった事とは】

このケースではまず「車検が1年残っている」という一般の方も陥りやすい中古車への誤解が悲劇の原因です。車検とは「2年間しっかり走れる保証」ではなく「現状、2年間は車道を走ってもかまわない許可」ということを理解できておらず、車検期間は何も整備しなくても車は走ると思い込んでいる方が意外に多いのです。Bは知り合いだし車検も残っていると妄信して、しっかりとした点検や前所有者への車の状態の聞き込みを怠っていました。しかも契約書すら交わしていないので、もはや売り手に対して打つ手はほぼ残されていないでしょう。

【逆に売り手に発生しうるトラブル】

今回Aは名義変更をめんどくさがらずに自分できちんと済ませました。これは大正解です。名義変更を買い手に任せてしまうと個人の場合えてして面倒がって手続きを後回しにしてしまうケースが多々あります。そしてそのまま名変をせず自動車税の付加時期を迎えると自動車税は所有者に対して請求されるので、売り手に納付書が届いてしまうトラブルがよく発生します。また今回はスムーズでしたが、売却代金の支払いでもめてしまうことも当然あります。月割での分割払いや納車後の振込みなどを承諾する場合は特に注意して、しっかりとした書式の売買契約書などを取り交わしておきましょう

【まとめ】

今回のようなケースで人間関係が崩れてしまうのは悲しいことです。事前にお互いしっかり情報交換し、双方納得の元に取引を進めるのも買い手売り手に共通する義務ではないでしょうか。