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車の動く原理を知ろう・・・点火、燃焼系統編

さて前回で車の電力発生、伝達系統について述べましたが、いよいよ中枢である走行動力発生装置、エンジンについてガソリン車に絞って説明したいと思います。ちょっとメカニカルな表現もありますが頑張って読んでみてください。

【綿密な計算の基になりたっています】

まずは動力を得るべく、エンジン内部に燃えやすくするため細かく霧状に噴射され、バルブを通して吸引された空気と混じり合い、ピストンによって圧縮された燃料に点火するために、イグニッションコイルと呼ばれる変圧器により高電圧となった電力を点火プラグに伝達し火花を発生させます。その爆発時のエネルギーを駆動輪に伝えて車は走っています。自動車は基本的にこの一連の動きを4つのピストンと8つのバルブで圧縮燃焼排気吸気の4サイクルを別々に同時進行で行います。つまり常時どれかひとつのピストンが燃焼によるエネルギーを発生させて安定したパワーを車輪に伝える事が可能になっています。まずはバルブによる吸気と排気のイメージを簡単に説明するためにゆっくり深呼吸をしてみてください。吸気つまり息を吸うときには肺が大きく膨らみ、同時に息をはくことはできないはずです。この状態が燃焼によるエネルギーでピストンが押し出され燃焼室が広がり、注射器作用によって吸気バルブから外気が取り込まれ、排気用バルブが閉じた状態と一致します。反対の排気の場合も同じことが言えます。次に風船を膨らますときを想像してください。口をすぼめて出来るだけ空気の圧を強めないとなかなか風船は膨らんでくれません。これがピストンが上昇し再び排気弁が閉じられ、燃焼室の圧が高まっている圧縮サイクルと同じことが解っていただけるでしょうか。そして車のパワーを示す「排気量」とはこの1サイクルで発生する排気の量つまり人間で言うと肺活量のようなものだと言えます。しかし車のメカニズムのすごいところはこの複雑なバルブの開閉とピストンの上下点火のタイミングを綿密な計算により成り立たせている点でしょう。ここで以前も高額な修理費用がかかると説明していたタイミングベルトが登場します。文字道理このタイミングを司る機構の1つが部品代だけで言えば2000円程度の一本のゴム製ベルトなのだからいっそう驚きです。ですからこのタイミングベルトが切れてしまうと車は只の鉄の固まりと化してしまうので、例え高い交換工賃がかかろうとも10万キロに一度の交換が推奨されているわけです。タイミングベルトの異常を知る手だてはほぼありませんが、長持ちさせる手段についてはお教えしておきます。単純ですが、マメなオイル交換によるオイル漏れの防止、並びにオイル漏れ発生時の迅速な修理です。オイル漏れ箇所によってはタイミングベルトにエンジンオイルがかかりゴムの劣化を早めてしまう恐れが高いためです。

【吸った息ははかないとダメです】

燃焼室から押し出された燃焼により発生した余分なガスなどを含んだ排気はどこに向かうのでしょうか?当然ご存じのように車体後部に必ずあるマフラーの排気口から大気中に排出されます。最近では掃除機などでもそうですが、人間に害が及ばないよう厳しい環境基準に乗っ取って車にも排気の浄化装置が備わっています。その浄化機能に支障が発生すると、基準値越えた一酸化炭素や炭化水素等を含んだ排気ガスが出てしまいます。これは重大な環境汚染の一因となるため車検時の検査項目にも取り入れられており、通検不可能なため必ず修理を必要とします。又、排気通路上の腐食や激突などの衝撃により穴や亀裂がありガスが漏れている場合も通検最後の目視や打音検査で必ず発見され、これまた車検不合格になってしまいます。古くからのベテラン整備士などはパテなどで穴を塞ぎ車検をクリアするときもありますが、通常はマフラーの全交換を求められるので、痛い出費になります。防御策としては年月による腐食での損傷は致し方ありませんが、まだ新しいうちでは縁石への乗り上げなどによるダメージが原因なので日頃の運転を慎重に行うことが一番の対策と言えます。

【まとめ】

んとか伝わりやすいように苦心してみましたがいかがだったでしょうか?本来はまだまだ複雑なメカニズムが融合してはじめて安定した走行が可能になっているのですが、それにしても自動車がいかに人間のもつ叡知を結集させて誕生したものなのかと改めて感心させられました。

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