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車の動く原理を知ろう・・・動力伝達、変速機、作用点編

色々と小難しい事も述べて参りましたが、今回で最後になります。それでは前回で説明したエンジンで発生した動力をいかに有効利用して車が走っているかについて述べていきます。

【まずは運動方向を変更する必要があります】

エンジンで生まれたエネルギーはピストン運動によるもので、直線上下方向に作用しています。(スバルのボクサーエンジンやマツダのロータリーエンジン、電気自動車はちょっと違います。ですがその説明は相当専門的になりますので割愛させていただきます)その縦方向の動力をタイヤの回転方向に変換しないと車は走ってくれません。まず直線上下運動を昔遊んだこともあるであろうオモチャの汽車の車輪の構造に似た、クランクと言われる往復運動を回転運動に変換する装置で横回転にします。イメージとしては自転車のペダルを上下1往復踏む様にピストンが1往復すると、横方向に1回転します。それを自動車の底にあるシャフトに伝え、富士山のような形をした歯車を3つ組み合わせたデファレンシャルという装置によってたて回転に再変換後、ドライブシャフトを通じてタイヤへと伝わります。

【人間にも付いていると便利かもしれません】

複雑になりすぎるので省きましたがその回路の途中に変則装置があります。これはメカニック的な詳しい説明をあえてしません。必ず車に付いている理由だけ簡単にもうしますと、エンジンの作り出す動力は基本的いつも一定です。アクセルを踏んで上がるのはパワーではなくあくまで回転数です。そこで一番パワーが必要な発進時や坂道走行やパワーよりも回転数が必要となる高速走行時に適した力を得るために、回転数を力に変換する装置が必要になります。それがトランスミッションで現在はギヤの摩擦によるパワーロスが少なく、燃費効率のよいベルトを用いたCVTが採用された車種が主流となっています。

【これらが故障すると大変なことになります】

簡単な説明に終始しましたがこれらの動力変換、伝達系統は強い負荷にさらされることを前提に、強靭な素材で且つ頑丈な構造をしています。その為、他の部位に比べ故障する頻度はあまり高くありません。しかしひと度不具合が発生すると廃車も視野にいれねばならないほど、修理は高額で時間もかかるものになる可能性が出てきます。特にトランスミッションの故障は乗せ替え等になると軽く数十万を越えてしまうため、次期車種への乗り換えを検討した方が無難かもしれません。数十万キロを走った車ならともかく数万キロレベルでトランスミッションが故障することはまれですが、駐車場などでたまに前進がまだしっかりと終わらないうちにバックギアに切り替えて「ガリガリ!!」と嫌な金属音を響かせている車に遭遇します。あれはいけません。恐らくせっかちな性格だったり、運転の癖だったりするのでしょうが、もし心当たりのある方はやめるようにした方が後々のためです。

【守りたいだから包んでいるんです。】

次に説明するドライブシャフトは厳密に言うと動力伝達系統に含まれるかもしれませんが、タイヤに程近い場所にあるのであえて作用点と分類してみました。ハンドル操作を可能にしているこの機構には複雑なギアジョイントが組み込まれていて、泥や小石が巻き込まれるとすぐに故障してしまうのでシャフトブーツと呼ばれる蛇腹状のゴムブーツに覆われ守られています。しかし、特にFF車はドライブシャフトが前輪にあるためハンドル操作時に何度も伸縮するためよく破損します。そしてできた隙間から異物が入るとたちまち不具合を起こし、修理が必要な状態になります。そこで対策としては車検時に劣化を指摘されたら迷わず交換を依頼することと、停車した状態でハンドルを一杯にきって覗けば、破れていたら飛び散ったグリスを視認できるのでたまに確認してみてください。

【まとめ】

多くの方に伝わりやすいように出来るだけ重要な部位だけをかいつまんでご紹介してみました。カーライフにトラブルは付き物ですが、述べてきたことを参考にされて愛車といい付き合いを続けられることを望んでいます。

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